2011年11月6日日曜日

人生時計でゴールをイメージする






 
 リハビリテーションのプロセスの中で、クライアントのゴール設定は当然なされるべきこととして認識されていますし、医療に限らず、どの世界でも目標管理に基づく各自のゴール設定は必然とされています。





 ところが職場や立場を離れ、私人として自分の人生のゴールを立てる、という習慣は、それほど一般的なことではないのかもしれません。

 

 

 SNSや職場で「人生時計」の話題を提供したことがありますが、思いのほか反響がありました。自分のライフステージを、時計に置き換えてイメージしてみる。自分の長期ゴールを時間軸の中で客観的に捉えてみる、そんな経験が新鮮だったようです。

今回は、人生時計への反響を手がかりに、ゴール設定とコーチングについて考えてみることにします。



最初に「人生時計」とは。



 自分の一生を時計に置き換えて、「今の自分は、人生時計の何時にいるか」、を考えてみます。

生まれた時が0時。人生の終わりが24時。

これまでは、人生時計を感覚的にとらえていたのですが、実は計算式があることが分かりました。最初、SNSや職場では、
(年齢)÷3=人生時計の時間(この式によれば、72歳で24時になります)をご紹介したのですが、少し実情に合いませんので、ここで改めて現在の平均寿命を参考に式を修正します。

         

(年齢)÷3.5=人生時間(これですと、84歳で24時になります)。


 twitterで知った計算式年齢)÷3=人生時間を、「これは使える」と思ってそのまま御紹介した後で、72歳で24時になってしまうことに気付き、「これでは、ゴールが早すぎる」と慌てたのですが、72歳にまだまだ時間的距離のある人たちにとっては、この設定はあまり気にならなかったようです。とにかく、そのまま受け止めてくれて、時計の針が午前中の人、正午付近の人、おやつの時間の人、もうすぐ午後5時に差し掛かろうとしている人、などそれぞれの人が、今の自分を人生時計の上に置いて、ゴールまでの道のりをイメージしている様子が、書き込みからよく伝わってきました。中には、「今の僕は、分」とまで計算してくれた人もいました(これには、驚きましたけれど)。



 この人生時計のメリットは、とても分かりやすいこと。例えば、「私はまだ午前中なので、時間はたっぷりあります」。「私は今、人生時計の午後三時。終業時間まであと2時間だから、ここでおやつを食べて一息ついたら、このままのペースでもうひと頑張りします」。「私は今、午後4時。かなり疲れたけど、あともう少し。ゴールは近い。もう少し走りますよ」など。今午後に居る人の多くが、「午後5時」を目指して課題やペースを考えていることが分かりました。



先程も書きましたようにこの計算式、実は午後5時の時点では、まだ51歳ということになります。「あと一息」と頑張っている人には、糠よろこびをさせてしまったのではないか、と反省しています。ここで、私が修正した式で再計算をしてみますと、



(年齢)÷3.5=人生時間 59.5歳で17時になる予定ですので、御参考までに。(今後、現役期間の延長に伴って、この計算式には更に修正が加わることも予想されますので、予めご了承ください)。



いずれにしても人生時計は、自分が今ライフステージのどのあたりに居るのか、を知り、具体的に未来をイメージするための指標を与えてくれます。まだ試していない方は、この機会にどうぞ。


 まだ午前中にいる人は午後2時位をピークと捉えているようですね。コーチングを行う時に、クライアントが現在どこにいるか、によってゴール地点が違うのは、当たり前のことのようですが、こうして時計上にイメージしてみると、受け取るこちらの納得感に深みが増すような気がします。



ゴールは現在から未来に向かって設定することが定石ですが、

人生の夕暮れ時以降のゴール設定をどうとらえるか。
人生時間のどこまでをコーチングで扱えるのか、という視点から未来を考える時、経験の豊富なクライアントが「過去に味わった自己効力感」は大きなリソースになりますので、もっと意識的に活用してもいいのではないか、と考えています。

次にについての私の考えをまとめてみますと、

 ①17時以降の目標設定について。この時刻には、肩の荷が軽くなった気楽さに、これまで培ってきたものを手放す喪失感が伴います。「荷降ろしうつ病」と言われる症状が出ることもあるくらいですから、ここで未来に目を向けて新たな課題や目標を設定することは、一人では難しいことが多い。予防策として、リタイアの前から目標を設定してプログラムを立てておくことが健康保険組合からも推奨され、そのための講座も開かれているようです。ここに、個別対応のコーチングが普及すれば、団塊の世代のパワーをもっと活かすことができるのではないか、と思うのですが、これは誰でも考えそうなことですし、もうすでに実現していることかもしれません。

人生時計のどこまでをコーチングで扱えるのか。最初に、私が抱いたコーチングに対するイメージは、「結果を出すためにクライアントが最高の能力を発揮できるだろう、という時期に照準を定めて現時点からマイルストーンを置いていく」というものでした。一方、私が描くメディカルコーチングの理想は、限りなく人生時計の24時(ラストステージ)に近い所まで機能する、というものです。とはいえ、これは言葉でいうほどたやすいものではなく、いつも「どこまでがコーチングなのだろう」と自分に問いかけています。例えば、ベッドサイドで声をかけても目を開けず、身動きもしないクライアント(患者さん)に向き合う時などに。無謀なことかもしれませんが、これを私は「答えは出ないけれど、自分にとって必要な問いかけ」と位置付けています。


 

 自分の過去と現在と未来を、実物の時計を眺めながらイメージしています。過ぎて来た時間が長くなるにつれて、人は未来に希望を持つことが困難になり過去に惹かれるようになるそうです。足踏みをせずに少しずつでも前に進みたい、そんな気持ちになりました。では、この辺で。





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