今年も国家試験の発表が終わり、新人理学療法士が10000人、作業療法士が5000人誕生しました。ハードな授業や実習を乗り越え、国家試験対策に追われながら、ようやく目指すゴールに辿り着いたことになります。きっと全国のあちらこちらで、お互いの健闘をたたえ、祝杯を交わし合っているでしょう。新人を迎え入れる私たちも、大丈夫だろう、とは思いつつ、「合格」の連絡が入るまでは何かと落ち着かない日々を送っていましたので、これでようやく一安心できます。
ところで、時期を同じくしてSNSで中堅・作業療法士の書き込みを目にしました。ご本人の了解をいただき、内容の一部をご紹介します。
今年に入って、主任という役割が振られた。
年度末のスタッフ面接に同席することにもなり、
後輩の仕事に対する悩みを数多く聞くようになった。
一部の若手スタッフからは、「今の仕事で楽しいと感じない」
「なんでこの職業に就いたのか・・・」という声が聞かれる。
私自身も、胸をはって作業療法のここにやりがいを持っている、と話せるほどの内容を提供できているとは思わない。常に悩みながら10年が過ぎた。
何度も辞めよう、と思ったし、今でも他の職業の適性を調べてみたりして、気持ちが作業療法に向き合わない日もある。
ところで、時期を同じくしてSNSで中堅・作業療法士の書き込みを目にしました。ご本人の了解をいただき、内容の一部をご紹介します。
今年に入って、主任という役割が振られた。
年度末のスタッフ面接に同席することにもなり、
後輩の仕事に対する悩みを数多く聞くようになった。
一部の若手スタッフからは、「今の仕事で楽しいと感じない」
「なんでこの職業に就いたのか・・・」という声が聞かれる。
私自身も、胸をはって作業療法のここにやりがいを持っている、と話せるほどの内容を提供できているとは思わない。常に悩みながら10年が過ぎた。
何度も辞めよう、と思ったし、今でも他の職業の適性を調べてみたりして、気持ちが作業療法に向き合わない日もある。
患者さんの人生に関わらせていただく一方で、自分の人生や家族の生活は二の次になり、自己嫌悪に陥ることも。そんな私が、後輩に作業療法という仕事の面白さを伝えモチベーションを上げるなんて、どうしたらいいのか、自信がない。
最近は、管理業務や会議に押されて、自分の担当患者さんとも
まともに向き合うこともできなくなってきているし、臨床技術も、遅れをとっているようで焦りもある・・・・・・(一部、変更・省略)。
SNSに紹介されている年齢から考えると、彼女も10年前は合格発表で祝杯をあげた組だったはずです。自分の未来にこんな試練が待っているとは、全く予想もしていなかったでしょう。けれどもこれは特殊な例ではありません。
その理由について、いくつか書き出してみますと、
*本人が望んでいない昇格
*それが子育ての時期と重なっているその理由について、いくつか書き出してみますと、
*本人が望んでいない昇格
スランプに陥っている時期
*後輩のモデルになれない焦り
*後輩を指導できない不安
*管理業務の指導・教育を受けていない・・・・・・・・・・・・etc.
東北大学の辻一郎先生によりますと、2006年に宮城県内のある市で40歳以上にアンケート調査をしたところ、心理的苦痛を感じている頻度が70歳以上でトップだったというのは頷けるにしても、次に高率だったのが40歳代だという驚きの結果が出たそうです。また、これはこの地方特有の結果ではなく、2007年に厚労省が行った「国民生活基礎調査」でも、25歳~34歳に、他の年齢層に比べて心の健康度が低い傾向が出た、とのことでした。これらのデータ―は震災前のものですから、今同じ調査をすればどんな結果が出るのかは分かりませんが、少なくとも若者~中堅層のメンタリティが低下していることを表していることは確かでしょう。
中堅セラピストも、ちょうどこの年齢層に組み込まれています。
以前と比べれば、出版されている専門書籍の数も卒後教育の機会も、手に入れられる情報の量も格段に多くなっていますが、それでも中間管理職のゆううつ(時には、悲鳴)は軽減する気配がありません。背景には、有資格者の数が増えて、競争原理が働いていること。終身雇用制度が過去のものになり、年功序列で昇進する保証がなくなったこと。社会保障制度そのものが不安定になっているために、将来の見通しが立たないこと、など様々な要因が考えられます。
書き込みの件にお話を戻しますと、内容については以前から予想していたものの、「やはり、そこまできているのか」という落ち着かない気持ちになります。これは誰もが辿る道なのか、それとも専門職の宿命なのか、あるいは時代がそうさせているのか。
この書き込みを使わせていただく了解を取るために、ご本人とメールを交換しました。
先輩方の経験知を活かすことは、できないものでしょうか。そんなことを考えさせられました。 と同時に、各自がこれらのことを予め想定しておく、ということも必要だと思っています。今すぐに解決することができなくても、できる範囲で対策を考え続けることができるからです。
参考書籍:病気にかかりやすい「性格」(朝日新書 辻 一郎)
このゆううつ、私自身も似たような状況にあるので
返信削除共感できます。
このブログを読ませていただいただけでも、
同じように悩んでいる方が多いとわかり、
ほっとできました。
匿名さん、コメントをありがとうございます。
返信削除匿名さんのコメントを読んで「自分だけではなかった」と
ホッとしている人が、さらに増えたでしょう。
こんな悩みを抱えている人は、予想より多いのではないでしょうか。
匿名さんからこんなコメントをいただきました。
返信削除>いつも、拝見させていただいています。
先輩OTさんはこのような状況を少なくとも、乗り越えてきたのでしょうか?
どのように自分と、周りと折り合いをつけたのか
経験談があるとうれしいなと思いました。
こんな風にブログを一生懸命読んで下さって、嬉しく思っています。
ここで言えることは、こういった時期の乗り越え方には
正解がない。つまり、誰もが同じ方法で解決できるものではない、と
いうことです。もちろん、私にも同じような時期はありましたし、それなりに
乗り越えてきましたが、これが正解とは思いませんし、他の人に同じことを
お勧めすることもできません。ですから事例の一つとして、いつかどこかで
お話できる時が来ればいいな、と思っています(事例は、たぶん
本が一冊書けるくらいの内容です)。私だけではなく、この時期を乗り越えた
方なら、皆さんが作家になれるくらいの特別の経験をしているはずだ、と
思いますが。
周囲との折り合い、という点はとても難易度の高い課題ですが、
もしあの頃、私の話を聴いてくれる人がいたら、もっと違った選択や生き方が
できていたかもしれません。そんなことを考えながら、自分にできることを
探しています。
お求めのお答えにはならなかったかもしれませんが。