実習生に指導者が行うフィードバック。あるアンケート調査によると、時間帯は終業後が多く、毎日45分から長い場合は4時間(!)にも及ぶものもある、という。また、フィードバックの方法は、学生が書いてきたレポートを元に、紙面には赤ペン先生宜しく真っ赤な添削が詳細にされていて、多くは不足不備を指摘する内容で、はては「て」「に」「を」「は」の訂正にまで及ぶのだという。「のだという」と書いたのは、今の自分ならそうはしない、という前提でのことだが、実はこれまで「そんなことをしてこなかった」わけではない。いつの間にか学生に対する肩の力が抜けて、「自分もできの悪い学生だった」ことを思いだしてから、いくらか変わってきただけだ。一番肩に力が入っているのが、4年目~6年目あたりだというのが通説になっているが、確かにそうだと思う。
学生に尋ねると、A4のレポート2枚を書くのに、3時間かかるという。「どうしてそんなに」と驚くが、そんな状態でうっかり指導者に質問をしようものなら「あなたはどう思う?」と切り返され、「じゃあ、レポートにまとめて来て」と課題の上乗せがされる。積極的質問が、睡眠時間の短縮に直結するという、恐ろしい結果が予測されるので、これでは質問もできない。ちなみに睡眠時間は多くて5時間。実習が佳境に入ると、1時間とか2時間とか。これでは、体調を崩さないわけがない。
以上は、学生の立場に立ったお話。次は、指導者の立場から。
学生の定員が急増したため、定員割れを防ぐために無審査に近い状態で入学させている、という事態を憂慮しているのは、誰しも同じ。当然、「自分達の仲間になるなら、せめてこれくらいのレベルには達して欲しい」と思う。加えて、指導者と学生の年齢が近ければ、ある意味で「自分に追いつき追い越すかもしれない存在」としてのライバル意識もどこかで働く。結果的に、「睡眠時間1時間」の状態に学生を追い込むことになるのだが、実はこのあたりの試行錯誤には、相当エネルギーを使っている。しかも、指導者に何のメリットがあるのか。いくら、今後の協会の発展のため、と言われても・・・・・。
この両者のストレスを軽減させる方法はないだろうか。
今、私が提案できる方法は、「コーチングスキルの活用」だが、特に学生の話を聞くことは、効果的だ。見ていると、指導時間に話しているのは、ほとんど指導者(95%)で一生懸命ティーチングをしている。学生は、黙って「はい」「はい」と言ってはいるが、どれくらいインプットされているのか、その時の表情を見ると「?」である。指導者にしても、疲れた体に鞭打って、折角これだけ指導しているのに、さっぱり効果が現れない。(いやになりますよね)。
試しに、こちらから質問をして70%~80%くらい学生に話させてみる(傾聴、です)。へぇ~、意外と考えているじゃない、ちょっと見なおした(もちろん、口には出しません。内心で承認しているのです)。で、これは?(質問のスキル)すると学生は、「あっ、それは・・・・」。そこで指導者が提案とティーチング。結構インプットが良い。聴いてもらえた後だから。素直に「それは、帰って調べてきます」となる(うまくいけば)。これで、負のスパイラルから抜け出せると、結構局面が変わることもある。
「変わることもある」と控えめに言うのは、100%成功します、の方法ではないので。もちろん、学生の資質は、欠かせない前提条件ですから。学ぶ意欲があるのに、教えたい気持ちがあるのに、どうしてもお互いのボタンが合わない、そんな時にお試しください。私は、結構効果的だ、と思っています。
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