2013年1月6日日曜日

「ケアする人」のためのコワーキングスペース


 

 昨日、一般社団法人エッグシェルの「設立1周年記念パーティ」に参加しました。主催者の方からお誘いを受けていたことと、ここが運営している「コワーキングスペース」とは何なのか、興味があったからです。でも参加してみて一番印象深かったのは、代表の方(山川ジャッキーさん)の法人を設立した動機でした。
 
 山川さんは「コワーキングって?」を説明しながら、「私は、両親の介護をするために仕事を辞めました。その時の自分と同じ立場でいる人に、たとえ2時間でもいいから、社会参加できる機会と場所を提供したい」と、言葉少なにお話されました。
 
 両親を介護するために、働き盛りの男性が仕事を辞めて家に入る。その苦悩が、この活動の原動力になりました。もちろん、山川さんだからできたことでしょう。「たとえ、2時間でもいいから社会参加できる機会と場所を」という言葉からは、その立場に置かれた人でなければ語れない閉塞感や焦燥感がにじみ出ているようにも感じられました。
 
「ケアする人のために」という視点は、あまり一般的ではないように思います。あったとしても、当事者以外は「レスパイト(リフレッシュ)」をイメージすることが多い。介護だけに明け暮れる日常からひと時解放されて、買い物をしたり、美容院にでかけたり、お友達と会ったり、体を休めたり、あるいは介護する人自身が受診できるように体制を整えることを、「ケアする人のためのケア」と考えているのではないでしょうか(私はそうでした)。レスパイトは確かに重要です。もちろん、「心のケア」も必要。でも「それだけではない」ことを、今回知らされました。
 
「この活動は、ケアをする人のためのリハビリテーション(社会復帰)をめざすようなものですか?」と、私は山川さんに尋ねました。山川さんは、温和な表情を一瞬真顔にして、少し考えながら「・・・そうですね」と答えました。私の意味するリハビリテーションと、山川さんのイメージしたものが同じかどうかは分かりません。でも、介護のために社会から隔絶されて、自分を諦め(でも、諦めきれない)でいる人に、もう一度その能力や役割を取り戻そう、という活動は、私にはやはり「リハビリテーション」を目指すものだ、と思えました。
 
 
 
                                    
 肝心の「コワーキングスペース」については、以下に検索した内容をご紹介します。
 
 様々な業種、年齢の人々が集まり、仕事をしたり、ノウハウやアイデアを共有し、協働する場所のこと。シェアオフィスと違い、仕切りがなく、イベントを開催したり、参加者同士の交流など「コミュニケーション」に重点を置いているのが特徴である(はてなキーワードより)。
 
 以下の関連記事では、海外での魅力的な紹介がされていましたので、ご参考までに。
 
 コワーキングスペースは最近首都圏を中心に急増していて、フリーランスや起業家など、組織に属さない働き方を志向する人たちが、注目している新しいオフィス環境。エッグシェルの山川さんたちが支援したい「誰かの役に立つ経験もスキルもあるのに、組織に属するだけの自由がない」人たちにとっては、「人との交流ができ」「様々な知識や経験を取得でき」「自分のスキルをシェアすることもできる」可能性のある場所です。
 
 一度お話を伺っただけで、コワーキングスペースの具体的なイメージを持つことはできませんでしたが、型にはまらない自由さの中で、もしかすると何かが生まれるかもしれない、そんな気持ちになれました。